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新實 五穂研究室(服飾文化論・西洋服飾史)

2019年4月12日更新

研究の概要

ひとが服を身に着ける意味や服装における象徴性について、ジェンダーの視点から研究を進めています。とりわけ近現代ヨーロッパ社会における異性装、および法令と服装の関係に関心があります。具体的な事例としては、ロマン主義の女性作家ジョルジュ・サンドの異性装、および19世紀フランスの女性運動を牽引したとされる女性サン=シモン主義者のユニフォーム、1800年11月7日の「異性装に関する警察令」などについて文献・図像資料、実物遺品を用いてこれまで調査してきました。
また最近は、子ども服をめぐるジェンダー規範について調査・分析することにも興味を持っています。

プロフィール

  • 2000年 お茶の水女子大学生活科学部人間生活学科生活文化学講座卒業
  • 2002年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人文学専攻博士前期課程修了
  • 2006年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科比較社会文化学専攻博士後期課程修了
  • 2013年 公益財団法人京都服飾文化研究財団(KCI)アシスタント・キュレーター
  • 2015年 お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系助教
  • 2019年 お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系准教授

主な研究業績

著書

  • 『社会表象としての服飾―近代フランスにおける異性装の研究―』 東信堂 2010年
  • 日本ジョルジュ・サンド学会『200年目のジョルジュ・サンド―解釈の最先端と受容史―』 新評論 2012年 第1部第1章「性を装う主人公」 25-37頁
  • 内村理奈編著『ファッションビジネスの文化論』 北樹出版 2014年 第6章「ジェンダーのゆくえ」 98-112頁
  • 深井晃子監修、石関亮・新實五穂・周防珠実・新居理絵・筒井直子・友成久実子・福嶋英城編著『Future Beauty 日本ファッション:不連続の連続』 京都服飾文化研究財団 2014年
  • 徳井淑子・朝倉三枝・内村理奈・角田奈歩・新實五穂・原口碧『フランスモード史への招待』 悠書館 2016年 第1部第3章「性は規制される」 111-135頁
  • 服藤早苗・新實五穂編著『歴史のなかの異性装(アジア遊学)』 勉誠出版 2017年 「十九世紀フランスのモードと性差」 238-255頁

学術論文

  • 「書簡集にみるジョルジュ・サンドの衣生活―男装と女性性との関係―」 『日本家政学会誌』第54巻第7号 2003年 25-31頁
  • 「サン=シモン主義の男性制服―着用経緯と象徴性―」 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科『人間文化論叢』第6巻 2004年 303-14頁
  • 「女性サン=シモン主義者の服装と女性解放の思想」 お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア」『公募研究成果報告論文集』第2号 2004年 63-69頁
  • 「男性サン=シモン主義者の服装における色彩の象徴性」 『服飾文化学会誌』第6巻第1号 2006年 31-40頁
  • 「ジョルジュ・サンドとサン=シモン主義―女性指導者「教母」をめぐって―」 「現代フランス社会と女性」研究会『Bulletin du CEFEF』第5号 2006年 85-96頁
  • 「ジョルジュ・サンドの対話式小説『ガブリエル』における女主人公の異性装」 『日本家政学会誌』第60巻第6号 2009年 49-58頁
  • 「異性装研究―近代フランスにおける服飾の社会表象―」 大阪府立大学女性学研究センター『第14期女性学連続講演会「ジェンダーを装う」』 2010年 71-100頁
  • 「Travestissement de George Sand et de l'heroine de Gabriel」 文化女子大学文化ファッション研究機構『平成22年度最終研究報告書―西洋服飾の史的事象によるジェンダー論―』 2011年 64-74頁
  • 「警察令にみる異性装の表徴」 京都服飾文化研究財団『DRESSTUDY』第64号 2013年 24-31頁
  • 「近代フランスにおける子ども服と男らしさ」 お茶の水女子大学『子ども学研究紀要』第 6巻 2018年 1-10頁

授業の概要

服飾文化概論(1年)

服飾における社会・文化表象を考えるファッション展にはどのようなものがあり、いかなる目的で行われているのかを具体的な事例に学び、服飾の史的事象を考察する上で設定可能な今日的テーマを探ります。またファッション展を批評・分析することを通じて、服飾研究の意義やその役割、問題点を理解します。

服飾史論・服飾史資料論(2年)

服飾の流行という現象を通して、社会や文化を理解することを目指します。なぜ新しい流行は次々と生まれるのか、現代の服装の中に歴史上の服装がどのように息づいているのかなどを探り、服飾が持つ社会的・文化的な意味を学びます。授業では、古代から20世紀までの西洋の服飾事象を取り上げます。

服飾文化論基礎演習・服飾文化論演習(3年)

服飾を切り口とした史的調査の方法を学び、服飾文化と社会の関係性を研究する上で基本的な研究文献や研究方法の多様性を理解します。また自らの関心に応じて先行研究を調査し、一次資料を検討することによって、一つの服飾文化論を試みます。

生活文化学論文演習I・II(4年)

西洋の服飾文化について卒業論文を執筆する学生を対象に、指導を行う演習です。テーマ設定、資料の収集・調査・分析、論文の構成など卒業論文を書くために必要な知識と技術を養い、各自のテーマに取り組みます。

HP作成者 新實五穂 niimi.iho@ocha.ac.jp

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