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難波知子研究室(日本服飾史・服飾文化論)

2019年4月4日更新

研究の概要

これまで主に取り組んできた研究は、日本における学校制服史および制服文化についてです。学校制服は、近代的な学校が整備された明治期以降に成立、広く普及し、かたちやあり様を変えながら現代においても引き継がれている文化の一つといえます。学校制服文化とは、その時々の政治や教育を反映するばかりではなく、流行や衣生活習慣、制服の製作技術、経済および産業の状況などとも関連し合い、さまざまな立場の人々の思惑や価値観が交錯する地点に形成されてきたのではないか、と私は考えています。人々がどのような価値観をもち、互いに合意したり、あるいは齟齬や相克をみせたりしながら、学校制服をかたちづくっていったのか、具体的な資料や事例の検討を通して考えていきたいと思っています。

プロフィール

  • 1980年 岡山県生まれ
  • 1999年 岡山県立総社高等学校卒業
  • 2003年 お茶の水女子大学生活科学部(生活文化学講座)卒業
  • 2006年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士前期課程(人文学)修了
  • 2010年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程(比較社会文化学)修了
  • 2012年 お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科文化科学系助教
  • 2017年 お茶の水女子大学大学院基幹研究院人文科学系准教授

主な研究業績

著書

  • 増田美子監修『ビジュアル―日本の服装の歴史③明治時代~現代』ゆまに書房、2018年
  • 『近代日本学校制服図録』創元社、2016年
  • 『裙裾之美―日本女生制服史』(北京)新星出版社、2015年
  • 『学校制服の文化史―日本近代における女子生徒服装の変遷―』創元社、2012年

学術論文

  • 「学校制服文化の継承と展開―2018年「アルマーニ」制服から考える制服と標準服の関係」『現代風俗学研究』18号、2018年
  • 「行田足袋の商標―明治から昭和初期における商標登録数の推移と商標モチーフの傾向」『行田市郷土博物館研究紀要』9集、2018年
  • 「被服製作実習の授業時間外学習に対応可能な教材整備―ゆかた製作における画像資料・部分見本の導入」『お茶の水女子大学人文科学研究』14巻、2018年
  • 「被服製作実習の改善策の検討」『茨城キリスト教大学紀要』50号、2016年
  • 「商標公報からみた児島の繊維産業史―足袋・腿帯子・学生服の商標を中心に―」『倉敷の歴史』26号、2016年
  • 「近代日本における小学校児童服装の形成―岡山県公立小学校を中心に―」『国際服飾学会誌』48号、2015年
  • 「大衆衣料としての学生服―岡山県旧児島郡における綿製学生服の製造を中心に―」『国際服飾学会誌』47号、2015年
  • 「東京女子高等師範学校附属高等女学校の標準服」、文化資源学会『文化資源学』7号、2009年
  • 「女教員の服装問題―女性の服装における近代化の一断面―」、意匠学会『デザイン理論』53号、2008
  • 「近代日本における学校制服文化の形成に関する考察―学校制服論試論―」、意匠学会『デザイン理論』50号、2007年

授業の概要

生活造形論(1年)

衣服をかたちづくる繊維、糸、布、染織技法、縫製方法(衣服のかたち)、生地の生産地など、衣服という観点から日本の生活文化および生活造形について理解を得る。


服飾史I・服飾史II(2年)

日本の古代から近代までの服飾の様式(かたちと名称)及びその特徴を理解する。また合わせて、各時代の服飾を窺い知ることのできる文字資料(法令や文学など)や図像資料(実物遺品や絵画、彫刻など)について学ぶ。


日本服飾史演習I・II(3年)

明治期以降の衣生活の変遷や服飾をめぐる人々の価値観の変容について、具体的な事例やモノを通じて探っていく。


生活文化学論文演習I・II(4年)

日本服飾の歴史および文化について、卒業論文を作成する学生を対象とする。論文作成の流れを学び、各自のテーマについて取り組む。

HP作成者 難波知子 namba.tomoko@ocha.ac.jp

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