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浜口順子(はまぐちじゅんこ)教授

2016年6月22日更新

教員紹介

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お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科 人間発達系
人間発達科学専攻(保育・児童学) 教授

専門科目

保育学、幼児教育学、保育人間学

アクセス

メールアドレス:takeuchi.hamaguchi.junko@ocha.ac.jp
電話・FAX:03-5978-5826
オフィスアワー:金曜日12時半〜13時20分(ご連絡を先にお願いします)
本館 343室

私の保育学のはじまりのエピソードから

学生時代の幼稚園観察実習でのこと。砂場で、ある子どもが私に砂のプリンを「はい、どうぞ」と差し出しました。食べなきゃ悪いかな、と思って、それを口元すれすれまでもっていくと、その子は「だめだめ、ほんとうのプリンじゃないからね」と止めました。この、遊びと現実の間のバランス感覚には、圧倒されるような感動を覚えました。

同じ頃、特別支援学校で、言葉のない子どもの後ろを半日追いかけ続けるような実習をした後、お帰りの時間近くになって、その子がふと私を振り返り、はじめて目を合わせにこっと笑いかけた瞬間、「障害」という言葉のイメージに疑問が湧きました。


私の保育学関連の授業・演習では、まず自分の中の子どもと向かい合い、純粋無垢とはいいきれない「子ども」を見据えます。子ども時代を振り返るときに起こっていること、身の周りの子どもをめぐる出来事をできるだけ多様に掘り起こしてみます。


保育とは何か、子どもという存在とは何か、「大人」が「子ども」を育てるとはどういうことか、いかに大人中心の視点に立っているか。かといって、子ども中心の視点なんてあいうるのか、そういうものがあったとして、それが本当に子どものためになるのか・・、主に教育学、人間学の視点から、人間の初めの時期について考えます。


幼稚園やナーサリー、特別支援学校などにおける観察・保育経験、あるいは自らの子ども時代の経験や印象などを基本に据えて、自分の、あるいは自分が属している社会や文化における、潜在的・常識的な保育観・子ども観を認識し、構築しなおしていく方法、およびモチベーションを探求していくことが、保育実践・研究のために重要だと考えます。


プロジェクト研究をいくつか展開してきました。2006年度からは大学における乳幼児教育リソースが連携して、乳児からお年寄りまでが学び合う場の創出をめざし「幼保プロジェクト(略称)」(2006〜2009)、「乳幼児教育を基軸とした生涯学習モデル構築事業(ECCELL)」(2010〜2015予定)を、広い意味での保育者養成プログラムの開発を目指して進めています。「総合的保育者」モデル、「保育者の専門性」養成を教養教育として位置づける試みを附属幼稚園、附属いずみナーサリー、社会人プログラム等と協働して進めています。


明治34年創刊のお茶の水女子大学・附属幼稚園共同企画編集の雑誌『幼児の教育』は保育実践研究と保育史的視野を融合し、深く子ども学探究することを目指しています。バックナンバーをネット上から検索して読むことができます。大変貴重な資料です。

主な担当科目

【 学部 】

保育学、保育臨床実習

【 修士課程 】

保育学特論、保育人間学特論

【 博士課程 】

保育関係論

主な研究主題

  • 総合的保育者養成のコンセプトと方法
  • 保育人間学とは?
  • 保育実践研究の方法(大人性の省察、言説研究、歴史的視点)
  • 乳幼児教育を基軸とした生涯学習モデルの構築(2010〜2015年度特別経費研究プロジェクトリーダー)
  • 大学コミュニティにおける乳児保育の場から生成される重層的カリキュラムの開発(2009〜2011年度科学研究費補助金 基盤研究(C))

主な社会活動

  • 季刊『幼児の教育』誌(フレーベル館)編集主幹
  • 千葉県浦安市保育カウンセラー(2011)
  • 日本保育学会会員、理事
  • 日本保育協会主任保育士研修講師(2011)など

主な著書・発表論文など

【 翻訳 】

  • H.ダンナー著 1988「教育学的解釈学入門」玉川大学出版部


【 著書(共著、分担執筆含む)】

  • 津守真・本田和子・松井とし・浜口順子共著 1999人間現象としての保育研究1(増補版) 光生館 「保育実践研究における省察的理解の過程」155-191
  • 立川多恵子・上垣内伸子・浜口順子 2001自由保育とは何か―「形」にとらわれない「心」の保育 フレーベル館 9-52
  • 森上史朗・浜口順子編 2003 幼児理解と保育援助 ミネルヴァ書房 「子どもの内なる世界の理解」69-91
  • 浜口順子 2005 「育ち」観からの保育者論 風間書房
  • 無藤隆(監修)、浜口順子(編集代表)2008 事例で学ぶ保育内容・領域表現 萌文書林
  • 津守真・浜口順子(編著)2009 新しく生きる―津守真と保育を語る フレーベル館


【 主な学術論文(著者名のないものは浜口単著)】

  • 子どもの生活世界と教育学―ユトレヒト学派臨床的教育学の意義に関する考察― 1986 日蘭学会会誌11-1、1-16
  • 「育ち」と「発達」―近年の保育研究における用語「育ち」の増加傾向とその意義― 1996保育学研究34-2、33-40
  • 保育と福祉の連関性―「家庭」の位置づけの検討― 1997 十文字学園女子短期大学紀要28、113-120
  • 保育実践者における「育ち」・「発達」両概念の使用状況およびイメージの比較 2003 日本家政学会誌54-10、813-825
  • 保育者における「育ち」・「発達」概念の使用状況およびイメージの比較とその保育学的意味 2003 乳幼児教育学研究12、99-109
  • 保育者における「育ち」概念の現象学的考察とその保育学的意味 2005 お茶の水女子大学人間文化研究科学位論文
  • 佐治由美子・浜口順子 2007 「保育者養成」カリキュラムにおける授業改革の試みとその意義―お茶の水女子大学「幼保プロジェクト」による保育現場と大学との協働的カリキュラム開発研究報告(1)お茶の水女子大学人文科学研究 3.141-155
  • 浜口順子・佐治由美子・塩崎美穂・菊地知子 2008保育を「見る」目を育てる―お茶の水女子大学「幼保プロジェクト」による保育現場と大学との協働的カリキュラム開発の研究報告(2)お茶の水女子大学人文科学研究 4.169-182
  • 浜口順子 2012 乳幼児教育環境の創造プロセスにおける「水平-垂直」のモチーフ―お茶の水女子大学附属いずみナーサリーの保育カリキュラム生成― お茶の水女子大学人文科学研究 8(2012年3月発行予定)


【 その他 】

  • お茶の水女子大学「幼保プロジェクト」2008 大学コミュニティにある保育実践と学生の学びをつなぐ―保育カリキュラム研究と保育者養成カリキュラム研究の相互的展開をめざして― お茶の水女子大学「幼・保の発達を見通したカリキュラム開発」中間報告書(プロジェクトリーダー:浜口順子)
  • お茶の水女子大学「幼保プロジェクト」・お茶の水女子大学いずみナーサリー 2009 大学の中で、赤ちゃんが笑う―育ちにふれて大人も育つ 文部科学省科学研究費・萌芽研究報告書(研究代表者:浜口順子)
  • お茶の水女子大学「幼保プロジェクト」2010 大学コミュニティにある保育実践と学生の学びをつなぐ―保育カリキュラム研究と保育者養成カリキュラム研究の相互的展開をめざして― お茶の水女子大学「幼・保の発達を見通したカリキュラム開発」最終報告書(プロジェクトリーダー:浜口順子)
  • お茶の水女子大学特別経費事業「乳幼児教育を基軸とした生涯学習モデルの構築(ECCELL)」2011 平成22年度年次報告書 (プロジェクトリーダー:浜口順子)
  • お茶の水女子大学ECCELL/いずみナーサリー 2012 大学の中で、赤ちゃんが笑うII 平成21〜23年度文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(C))「大学コミュニティにおける乳児保育の場から生成される重層的カリキュラムの開発」研究報告書(研究代表者:浜口順子)
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