研究紹介

  食品化学研究室は食物栄養学科を構成する6研究室のうちの1つです。様々な食品成分について主に有機化学的手法を用いて研究を進めています。食品中の におい (フレ-バ-) や生理活性物質などを分離してその構造を決定したり、その成分の生成機構や作用メカニズムの解析、さらには調理・加工中の安定性などを調べています。

 食品のにおいは食べ物のおいしさを左右する重要な因子の一つです。におい成分が揮発して鼻の中の受容体を刺激すると我々はそのにおいを感知します。その成分を分析すると100以上もの多くの化学成分が含まれています。当研究室では、成分の化学構造を分析する一方、においに主に関係する成分を調べたり、食品は元々は植物や動物ですのでそのもの自体の中でどのような成分があり、加工して食品になる間にどのような変化を受けるのか、前駆体や酵素系なども研究対象としています。(久保田)

 また、食品の持つ三次機能(生理機能性)について、特に含硫成分を中心に研究を進めています。ネギ属やアブラナ科野菜からポリスルフィド類やイソチオシアネート類という機能性含硫成分が生成します。こういった成分とその他の食品成分(アントシアニン類など)の血小板凝集阻害活性や第二相解毒酵素誘導といった機能性をヒト血小板や動物培養細胞を用いて評価しています。ある食品素材から生理活性物質を単離して化学構造を機器分析により決定し、作用メカニズムを生化学的に解明するという研究を主に行っています。(森光)


【近年の研究内容】

久保田紀久枝:

1.お茶の香りに関する化学的研究

2.香辛野菜や香辛料のにおいと生理機能性に関する研究

3.果物の香気および香気形成、生理機能に関する研究

4.加熱香気とその生成に関する研究

5.においの相互作用に関する化学的研究

 

森光康次郎:

1.ネギ属野菜の含硫成分とその有用な機能性ついて

2.アブラナ科野菜の含硫成分とその有用な機能性ついて

3.沖縄産食用植物の機能性成分に関する化学的研究

4.食用植物成分に関する化学的・生化学的研究

5.酸化ストレスの制御と含硫アミノ酸・含硫成分の基礎研究


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